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美羽

Author:美羽
亜桜 美羽(あさくら みう)です。
ぼちぼち小説書いてます。

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『14f症候群』 著/壁井ユカコ

 野生時代2月号に掲載されていた短編なので読んだの自体は結構前なんですけど、せっかくなので感想を書いてみる。と言っても長さが長さなので、たいした感想になりませんが。まあ、たまにはありってことで。

 ティーンの恋特集ということで(?)、中学生の女の子が朝起きたら○○になってました……と設定自体は決して珍しくもないお話。ですがですがですが! この恋にきゅんきゅんしている甘さ全開の雰囲気は、癖になる人はとことん癖になるんじゃないでしょうか。ちなみに私はニタニタ度全開でしたが。いや、本当に外で読まなくて良かった(笑)
 それにしても壁井さんは、「恋愛感情に自覚のなかった登場人物がそれに気づく瞬間」……みたいな感情の微妙な機微を描くのが上手い! これは本当に見習いたいもんです。
『アヒルと鴨のコインロッカー』 著/伊坂幸太郎

 引越し前に衝動買いした作品。
 本屋大賞の受賞などでここ最近人気の作家さんなんですが、途中までやや読みにくさを感じて思わず「むむ……」と唸ってしまった作品だったりします(その前に読んだ『チャイルド』はそうでもなかったんだけどなぁ orz)。
 ともあれ、中盤の過去の事件の全容が見え出したあたりから徐々に引き込まれて、最後まで一気に読み終えることができました。

 簡単にあらすじを紹介すると、主人公が引越し先のアパートで出会った青年に、「隣りの隣りに住んでいる外国人のために広辞苑を手に入れてやりたい。だから、一緒に本屋を襲わないか」と持ちかけられて……という、一見するとコメディか? と思えなくもないお話です。
 始まりがそんな感じだからか、序盤はどことなく軽くて淡々とした感じで(読みづらく感じた原因はここにあるのかも?)話が進んでいくんですけど、中盤あたりから徐々にシリアスになっていきます。
 現在のエピソードと過去のエピソードが交互に語られていく中、過去のエピソードにしか登場してこない外国人ドルジの恋人。HIVに感染していたらしい青年。そしてそんな三人が遭遇したペット殺し事件とそれがもたらした悲劇の全容。
 バラバラに散りばめられていた謎が綺麗につながっていく心地よさはもちろん、読み終えたあとに残る何ともいえない切なさが非常に私好みの作品でした。

 あと個人的に印象に残っているのが、とある人物が口にする因果応報の意味。善いことをした人には善いことが返ってくるし、悪いことをした人には悪いことが返ってくる。そう口にしていた人物は、ラストで普通なら裁かれるべき罪を犯していたことが判明するんですけど、まわりの登場人物たちは誰も自首を強制しないんですよね。
 なのに、最終的にはひどく皮肉な方法で因果応報を受けている。……まあ、その結末を感動的と捉えるか皮肉と捉えるかは、きっと人それぞれなんでしょうけど(ちなみに私はひねくれているのか、後者でした orz)。

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