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美羽

Author:美羽
亜桜 美羽(あさくら みう)です。
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『夜愁』

 リハビリ、リハビリ……ということで、久々に読了本の感想でも書いてみる。例のごとくネタバレありの方向で。

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『夜愁』 著/サラ・ウォーターズ

『茨の城』でなんとなくお気に入りになって衝動買いしたものの、引越しやなんだで積読になっていたかわいそうな(?)作品。
 あらすじは……と書くこと自体に若干無理があるかもというぐらい、明確なストーリーラインがない(カタルシスに繋がるような出来事が起こらない?)作品ではあるんですけど、それでもあえて書くとしたら、戦時中および戦後のロンドンを舞台にくりひろげられる群像劇って感じでしょうか。
 第二次世界大戦後である1947年、ある人物は一人屋根裏部屋で暮らし、ある人物は不倫相手との空しい恋愛に疲弊し、ある人物は同居している恋人への嫉妬心に苛まれ、ある人物は家族の下をはなれて血も繋がらない人物と同居し……と各々の生活を送る彼らに垣間見えるのは、戦時中の出来事によって負わされた何らかの心の傷。
 構成自体は、1947年からスタートし、44年、41年と遡る形で描かれているため、最終的には彼らが負った心の傷の正体はわかります。……わかりますが、『茨の城』や『半身』のような劇的な展開を期待して読むとおそらく肩透かしを食らいます。
 はい、まさに私がそうでした orz。いや、だってミステリーコーナーにあったらそう思うじゃないですか。
 ただ、そういう目的で書かれた作品ではないんだと割り切ってしまえると、これはこれで味わい深い作品なんですよね。

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